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フルミストの注意書きについて

おひさしぶりの投稿になります。

すみません。

忙しくてアップできてませんでした。

今回は、少し患者様から質問があり久しぶりに投稿してみます。

今年初めて承認されて使うことの出来る点鼻のインフルエンザワクチン「フルミスト」

点鼻で一回だけですむということで、いつ出るのかと待たれていた方もいると思います。

今回当院でも使ってみようと思っていますが、患者様から

「喘息の子に使うのは注意がいると書いてあるからそれをHPに載せてほしい」との要望がありました。

メーカーさんから説明を聞いたときは特に慎重投与などの話はでてなかったな〜💦
と思ったので、少し添付文書を見てみました。

添付文書を確認すると

この部分に書いてました。

なるほど、卵アレルギーなどと同列の注意の欄に書いてあります。

赤枠で囲われていたり、黄枠で囲われていないので、となるとそこまで注意しなくても良い項目になるので、メーカーさんが説明していなくても普通かなと…💉

これだけだとなんのことやらになるので、 もう少し詳しいインタビューフォームという今までの試験結果などが載っているものを確認してみます。 そこには喘息の注意について詳しく書いてあり

これだけだとなぜ突然これを書いているのか良くわからないですが、前提条件としてインフルエンザは喘鳴などの喘息症状が出やすいということがあります。もう少し他も見てみると有害事象の欄に


となっています。

メーカーさんの言い分をまとめると、 2歳未満の健康な子でも少し喘息発作が起きるリスクがあるから2歳未満の子はワクチンを使えないようにしたよ。生後6か月以上の子で喘息を含む呼吸器疾患を持っていても喘息発作が出るリスクが上がることはなかったけど、重症の喘息の子にお薬を試したことはないから注意事項に書いておくね。」 となる感じです。

これをどの程度と捉えるかはその人次第にはなりますが、一般的にはそこまでの注意喚起にはならない印象です。 実はよく見てみると注射のインフルエンザワクチンにも同様の記載があります。(ちなみに注射の方が重度の喘息という重度の記載がなくなっています) 喘息の子にインフルエンザワクチンを打つか打たないかはご家族の希望も含めてにはなりますが、喘息を持っている人がインフルエンザにかかると喘息発作の再燃など重症化するリスクが上がるため、ワクチンなどで予防しておくことがおすすめです。

インフルエンザウイルス自体が喘息を起こすので、そのワクチンには喘息のリスクがあるのですが、自然に罹患するよりも遙かに軽症ですむケースがほとんどです。

また注意事項の下に書いてある卵アレルギーの件もワクチンに含まれる卵白の量は多くて10ng(0.00000001g)程度です。耳かき1杯が0.1g程度であることを考えるとほとんど起こすことはないです。(私たちも耳かき一杯でアレルギーが出るならやめてねと言いますが、多くの子には大丈夫と言っています)

添付文書が今は気軽に見られる時代になりました。

専門的な説明書になり、一枚程度に全ての情報を詰め込むので、見方は少し難しいです。

私たちも疑問に思えば、インタビューフォームという添付文書の親玉を見ていく事になります。

見ていて心配になった、あまりお医者さんとかから言われていないけどこう書いてあるけど大丈夫だろうかなど疑問があれば、かかりつけの医師、薬剤師に確認して見てくださいね。

今回は教えてくださってありがとうございます♪

こちらも見直しを出来て勉強になりました。

<2024年9月10日追記>

少しフルミストを接種するにあたり色々検索をかけていると小児科さんのお知らせに喘息禁忌などの言葉が出ていました。

添付文書的には問題ないので何だろうと思っていました。書かれている日付を見ると昨年以前で未承認で輸入して打っていたところのクリニックさんのサイトのようでした。

となると、海外では禁忌?日本の方が大概厳しくなることが多いのでどうなっているのかと、今のアメリカやヨーロッパの現状を見てみました。

まずはアメリカ

打ってはダメな人として

・卵や他のワクチンの成分に重度のアレルギーのある方

・インフルエンザワクチンで命の危険な反応(アナフィラキシー)が起きた人

・子供や10代でアスピリンやアスピリンを含んだ製品を使っている人

また2歳未満では喘息のリスクが上がると書いてあります。

また医療従事者に相談してと書かれているのが、

・現在喘鳴のある人(今まさに喘息症状の出ている人)

・5歳以下で喘息の既往のある人

・ギランバレー症候群の人

・免疫不全の人、重度の免疫不全の家族のいる人

・心臓、腎臓、肺に疾患のある人

・糖尿病の人

・妊娠中、授乳中の人

・インフルエンザの治療のために抗ウイルス薬を飲んでいる人

とあるので、喘息に関しては禁忌とまでは行かないようです。

次にヨーロッパ

 

 

こちらはフルエンズテトラと言う名前での販売になっています。(こちらは昨シーズンのものです。)

こちらでは打ってはダメな人が

・主原料やその他の成分、ゲンタマイシン(精製時の卵の殺菌に使っていると思われます)、卵や卵蛋白にアレルギーのある人

・血液疾患やHIV、がん、その他の医学的治療などで免疫が落ちている子

・(アスピリンのような鎮痛薬)サッカライドでの治療を受けている子

と書かれていました。こちらに関しても喘息に関しては触れられていない感じです。そのため、少しはっきりとはしなかったのですが、現在の状況としては欧米においても喘息が禁忌ということにはならなさそうです。

ただアメリカでは5歳未満の子で既往歴のある子は応相談となっているので、喘息が気になる方は一度相談してみてください。

また注意としてはワクチンの成分にゼラチンがあるためそちらのアレルギーの方も重度の場合は難しくはなりますが、どれだけ薬の中にゼラチンが入っているかによって、どの程度のゼラチンアレルギーの人が打てなくなるかがかわるので、一度メーカーさんに確認して見ます。

今回注意書きの話をしていきました。

実際のメリットデメリットに関してはまだ何もお伝えできていないので、次回書いていきますね。

またよろしくお願いします。