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フルミストの特徴

前回はフルミストの注意について書いていきました。

結局のところの注意事項をまとめると

打ってはいけない人は

・明らかな発熱を呈している方

・重篤な急性疾患にかかっている方

・卵やゼラチンなどの成分に重度のアレルギーのある方

・インフルエンザワクチンのその他の成分で命の危険な反応(アナフィラキシー)が起きた方

・明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する方、免疫抑制を来す治療を受けている方

・妊娠していることが明らかな方

・子供や10代でアスピリンやアスピリンなどのNSAIDsを含んだ製品を使っている方

・2歳未満の小児

・4週間以内に生ワクチンを接種した方

・上記に掲げる人のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある方

になります。日本の添付文書に少し海外で禁忌とされているアスピリンの項目を追加した形になりますが、この項目に関してはインフルンザに罹患した人がアスピリンなどのNSAIDs(ロキソニンなども含みます)と言われる薬を飲むとライ症候群になる可能性があるとのことでワクチンの治験で実際に起きたわけではないので、日本では禁忌から外れたようです。ただ当院では今シーズンも海外では禁忌になっているので少し日本の適応と違いますが、打てない対象にしました。

あとは打つ前に一度医師と相談した方が良い方としては

・心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害などの基礎疾患を有する方

・予防接種で接種後2日以内に発熱の見られた方および全身性発疹などのアレルギーを疑う症状を呈した方

・過去に痙攣の既往のある方

・過去に免疫不全の診断のなされている方、近親者に先天性免疫不全症の人がいる方

・重度の喘息を有する方または今喘息の症状がある方

・喘息の既往のある2〜4歳児(小児科学会の提言に推奨はしないとの記載があるのでいれています)

・卵やゼラチンなど本剤の成分にアレルギーを呈する恐れのある方

となります。また接種前1ヶ月間は妊娠しないようにすること、ワクチン接種後2か月は妊娠しないようにすることが大事になっています。なので妊娠中や妊娠を希望されている方は注射のワクチンを選択することになります。

 

ここまで接種する人について書いてきましたが、ここからはフルミストのメリットデメリットについて書いてみます。

フルミスト特有のメリット

・痛くない

フルミストは片鼻0.1mlずつ、計0.2mlを鼻に吹きかけるだけなので、痛みはないです。少しツーンとすると言う方もいますが、、、

・接種は1回

13歳未満の子にとっては注射の場合、2回接種が基本ですが1回接種で済むのは本人、ご家族にとっての負担は少なくなります。

・予防効果が長く続く

弱毒生ワクチンであり文献上は半年程度、理論上は1年程度の予防効果が期待できます。

・流行の株以外も予防してくれる

ワクチン株以外の株に対しても予防効果があると言われています。

 

逆にフルミスト特有のデメリットとしては

・生ワクチンのため、10%程度の人に軽いインフルエンザ様の感冒症状が出る。

咳嗽、鼻汁が出ることが多く、軽い鼻づまりやのどの違和感は30〜40%に見られます。、また一部の人に発熱、筋肉痛などの軽いインフルエンザ様症状を認めますが、注射ではないので接種部位を腫らすことはないです。そのときに検査をすると弱毒生ワクチンのため、インフルエンザ陽性になることがあります。

・妊娠している人が近くにいる、免疫不全の人、乳児が近くにいるとうつす可能性があるため1〜2週間は濃厚な接触を控える

今のところ重篤な事態になることはないとのことですが、ワクチン株が水平伝播したとの報告があるので可能な限り濃厚な接触は控えましょうと日本小児科学会の提言があります。

 

と言ったところになります。以上がフルミストの注意点になりますが、わからないことや気になることがあれば相談してくださいね。