子どもの咳がひどい時の受診の目安
受診を急ぐ咳のケース
下記のような場合は、早めに当院に受診してください。
- アレルギーを発症させるものを摂取した
- 顔色が悪い
- 喘鳴
(ゼーゼー・ヒューヒューという
異常な呼吸音) - 異物の誤飲が疑われる
- 肩呼吸をしている
(呼吸のたびに肩が上下に動く) - 陥没呼吸をしている
(呼吸時に肋骨下や鎖骨上の窪みが
見られる) - 水分が摂れないほど咳がひどい
- 水分は摂れるが、食べられない
- 6時間以上おしっこが出ていない
- 1日中咳をしており、だんだん悪化している
- 38℃以上の発熱がある
咳の様子を見て受診を
おすすめするケース
- 咳が出ているが、元気な様子で水分・食事(離乳食)を問題なく摂れる
- 咳が1~2日出ており、鼻水があるが、熱はなく元気な様子にしており水分を摂れる
上記のいずれかに該当する場合には、基本的にご自宅で様子を見てからの受診でも構いません。もちろん、ご不安な場合にはいつでもご相談ください。
子どもの咳が止まらない時の対処法
冷水を一口飲ませる
咳が止まらない場合は、一旦起きて冷たい水を一口飲むことで改善が期待できます。夜中に咳き込んだ場合にも有効です。柑橘類のジュースなど、のどの刺激となるものは咳を悪化させるため、避けましょう。
ハチミツを飲む
寝る30分前にハチミツを一口飲めば咳が出にくくなります。しかし、1歳以下の子どもにはハチミツは厳禁です。乳児ボツリヌス症を発症する危険性が高く、国内でも2017年に生後半年の男の子が命を落としています。
上体を起こす
夜に咳き込みが激しくなり睡眠が妨げられる場合は、背中や腰にクッションなどを入れて、上体を起こすと症状が軽減されます。ただし、枕だけ高くすると、顎を引く形になり、気道が狭くなってしまいます。腰から上(上体)を高くすることが重要です。
部屋の加湿
空気が乾くとのどが敏感になり、咳を発症しやすくなるため、タオルを濡らして屋内に干したり加湿器を用いるなどして、屋内の湿度を約60%に維持しましょう。寝る前に温かい飲み物を飲んでのどを潤すのもお勧めです。なお、加湿器はカビが発生しやすいため、きちんと清掃しましょう。
子どもの咳が止まらない原因は?
風邪
子どもは風邪をひいたときに咳が出ることが多いです。咳を繰り返していると心配になりますが、安静にして水分を十分に摂取していれば、1〜2週間ほどで鼻水や咳、発熱などの症状は改善します。
急性気管支炎
風邪がきっかけで気管支に炎症が起き、急性気管支炎になるケースが多いです。はじめは「コンコン」と乾いた咳が出ますが、後にゴホゴホという痰がからむ咳になって、のどの痛みを感じたり、発熱が起こります。
風邪の場合と同様に、安静を保って水分を十分に摂取していれば、1〜2週間以内に発熱や咳、鼻水などの症状改善が見られます。
喘息
喘息は気道の炎症が原因で発症します。子どもの場合は、ハウスダストやダニなどが主な原因で、気道に炎症が起こるアレルギー反応だと言われています。
喘息を発症すると、ひどく咳き込み、息をする際に「ゼイゼイ」や「ヒューヒュー」という呼吸音がします。
小児喘息がひどくなれば、呼吸できなくなり重篤な状態になることもあります。しかし、多くの場合は早期診断と的確な治療を受けることで、成長するにつれて改善していきます。
後鼻漏
鼻水がのどを伝い、不快感を伴う症状です。痰がからんだような咳が出ます。
日中は症状が軽く、夜間に悪化する傾向があります。夜中にゴホンゴホンといった咳をする場合は、後鼻漏を疑います。鼻水症状を改善することで、後鼻漏も改善します。
肺炎
発熱や咳、痰など風邪のような症状を認めますが、風邪よりもひどい症状になりやすく、場合によっては呼吸ができなくなり重篤な状態になる場合もあります。体の免疫力が弱っている時や、インフルエンザや風邪に罹患した後に発症することが多いです。
クループ症候群
クループ症候群は2〜6歳頃の子どもの発症が多く、ケンケンという犬の鳴き声のような特徴的な咳とともに、咽頭痛や発熱が生じます。
クループ症候群は夜に増悪することが多く、急に呼吸ができなくなる場合もあり、その際は自分で治療しようと市販薬の咳止めや風邪薬を使わずに、早急に救急外来にご相談ください。
子どもの咳Q&A
子どもの咳がひどく内科を受診し、咳止めの薬をもらいましたが治りません。どうすればいいですか?
何らかの病気を原因と咳が続いている可能性があります。一度、小児科である当院にご相談ください。またその際には、お薬手帳をお持ちください。
日中は元気にしていますが、夜中になると咳が出ます。なぜでしょうか?
夜間だけ咳が出る・悪化する咳が疑われる病気には、喘息や気管支炎などが考えられます。夜間のひどい咳は睡眠の妨げにもなりますので、お早めに当院にご相談ください。
咳に加え、嘔吐があります。受診した方が良いでしょうか?
受診をおすすめします。嘔吐は、水分摂取が減り、全身状態の悪化を招くことがあります。またお子さんにとって辛い状態ですので、お早めに当院にご相談ください。